アラビアって?

アラビアとか、アラブとか、中東とか・・・、巷にあふれる言葉、ごちゃ混ぜになっていませんか?

「アラビア」=「中東」ではないんです!
もともとは、アラビア半島を中心にした一帯を、「アラビア」と呼んでいました。
そして、アラビア地域に住む人のことを「アラブ」と言います。日本語では、「アラブ人」と言っていますね。

現在、「アラブ世界」「アラブ諸国」というと、アラビア語を話すアラブ人が多く住んでいる地域のことを指します。
一般的には、アラブ連盟に加盟している22カ国(正確に言うと、21カ国+パレスチナ暫定自治政府)を指すと考えていいでしょう。
地図を見るとわかるように、北アフリカまで含めて、広い範囲にわたっています。
「アラブ諸国」は東西2つに分けることができます。イラクからエジプトまでをマシュリク(太陽が昇るところ)、リビアからモロッコまでをマグリブ(太陽が没するところ)と呼んでいます。

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一方、「中東」とは、西欧から見て地政学上、国際政治学上おおまかに定義された、西アジアからアフリカ大陸北東部の地域をあらわす言葉です。
ですから、アラブ人が多い国だけでなく、セム系ユダヤ人が多く住む「イスラエル国」、アルタイ諸語族系トルコ人が多く住む「トルコ共和国」、インド・アーリア系ペルシャ人が多く住む「イラン・イスラーム共和国」なども含まれます。
「中東」には、言葉も顔つきも違う、たくさんの民族が住んでいるのです。

ところで、新聞やニュースでよく耳にするG.C.C諸国って、なんのことでしょうか?
イラストマップ(下記)にあるようにアラビア半島の東側湾岸にある6カ国のことですが、いずれも、原油の輸出で豊かになった専制君主制による王国という共通点があります。共通の利害があるため、互いにさまざまな点で融通し合っています。
日本とは、貿易などを通じてつながりの深い国が多いですね。

GCCマップ (2)