アラビアの道 サウジアラビアの至宝展

東京、上野にある東京国立博物館で、「アラビアの道 サウジアラビアの至宝」展を開催中(~3月18日)です。もう、ご覧になりましたか?

私はオープニングのレセプションパーティーに加え、その後も数回行きましたが、今までは全く見ることができなかった至宝を観られる、またとない機会なので、ぜひご紹介したいと思います。

というのも、従来サウジアラビア政府はイスラーム以前つまり紀元7世紀以前のものはジャーヒリーヤ時代(無知の時代)と言って、その価値をあまり重視してこなかったからです。ところが、今回展示されているものは原人によって割られた100万年以上前の石器(礫器)に始まり、新石器時代、紀元前6500年ころの動物の石像、紀元前4世紀頃の人物像など、イスラーム以前の時代が充実した内容となっています。

同時に、人類がアフリカ大陸からアジアへと移動する際、アラビア半島がいかに重要なルートであったか、そしてギリシャ、ローマ、メソポタミア、エジプトの中心にあっていかにその影響を受けてきたかということが確認される、素晴らしい展示です。

西暦175~177に作られたとみられるラテン語の碑文「ローマ皇帝城壁の回収記念碑」、さらにメソポタミア、ヘレニズム、ギリシャ文化の影響がみられる像や図柄もあり、長い歴史の蓄積を感じさせられます。

私自身、サウジアラビアの博物館には何度も足を運んでいますが、今回の展示会のように、サウジ国内のあちこちにある至宝を一堂に会する試みは初めてのことなので、大変貴重な機会と言えます。

世界巡回展であるこの企画、日本に「サウジアラビアの至宝」があるうちに、ぜひご覧になってみてください。