利口なおんどり
ある日、おんどりはエサを探しに家を出て、村から離れていった。すると、突然ものかげからキツネが現れた。おんどりは震え上がって、あわてて木にかけのぼった。すると、キツネは言った。
「やあ、友達のおんどりさん、こんにちは。降りてこないか?そしたら、君の美しい声を聴けるし、話もできるのに」
おんどりは言い返した。
「君は僕の友達じゃあないよ。だって君はうそつきのキツネじゃないか」
するとキツネはこう答えた。
「あれ?君は動物会議について何も聞いていないの?会議では平和と愛、そしてみんな友達になることに合意したんだよ。オオカミは羊たちを友達として扱うし、猫はネズミと遊ぶし、キツネはおんどりと話をするんだよ」
おんどりは言った。
「そうなの。おかげで、恐怖はなくなったよ。あ、ほら、キツネさん、あそこに犬たちがいる。こっちに近づいてくるよ。さあ、彼らにあいさつに行きなよ」
犬たちを見たキツネは震えあがり、逃げようとした。そこでおんどりは叫んだ。
「あれれ?なぜ犬から逃げるの?怖がるの?その合意が安全を保障してくれるっていうのに」
だまし屋キツネはこう言った。
「ぼ、ぼくはあの犬たちが、この合意についてまだ聞いていないんじゃないかと恐れているんだよ」