「ジョハーの迷裁判」
ジョハーが裁判官だったある日、レストランのオーナーとひとりの貧しい男が朝早くにやってきた。
レストランオーナー:「やぁ、裁判官。わたしゃ、肉を焼くケバブレストランを経営しているんですがね、この貧しい男がうちの店の近くに座り込んで、肉を焼くいい匂いを嗅ぎながら、自分が持っているパンを食べてんでさぁ」
ジョハー裁判官:「それで、どうしたいんだね?」
レストランオーナー:「匂いの代金をはらってほしいんでさぁ」
ジョハーはしばらく考えてから、おもむろにポケットからたくさんのコインを出してカチャカチャとコインを数え始めた。そしてレストランオーナーに尋ねた。
ジョハー裁判官:「今の音を聞いたかね?」
レストランオーナー:「聞きましたとも」
すると、ジョハーは笑いながらこう言った。
ジョハー裁判官:「よし、それでは、この音だけを、肉の匂いだけの支払い金額として受け取れ。一件落着だ」