9つのタブー その7「女性に握手を求めるな!」

初対面だと、反射的に握手しようとする人もいるが、イスラームでは男性が女性にやたらと気安く話しかけたり触ったりするのは良くないことだ。
ただし外国人慣れしているアラブ人女性が、彼女の方から握手を求めてきた場合には、臆することなく応じよう。

逆にあなたが女性なら、フレンドリーさをアピールして自ら握手を求めてみよう。喜んで応じてくれるし、その後の商談がやりやすくなることは間違いない。

「アラブ人の心をつかむ交渉術」 河出書房新社より

9つのタブー その3「足の裏を見せるな!」

足の裏を見せる事は、相手を侮辱することになる。アラビア式のリビングルームで床に座る場合はあぐら、または立て膝と言う正しい座り方をしよう。
横座りなどをすると、足の裏を見せることになってしまうから、注意が必要だ。

足を組むのもよろしくない。
英国人のブラウン氏は、商談の際にいつもの癖で足を高く組んでしまったところ、クライアントのドバイ人に大変不愉快な表情されたそうだ。

その後クライアントは「急用ができた」と言って席を立ってしまい、契約不成立に終わったと、嘆いていた。きっと、ブラウン氏の態度が「偉そうに「見えたのだろう。ちょっと人を威嚇するような風情の人だから、損してしまったのかもしれないが、このようなちょっとした行動がアラブ人のプライドを傷つけるのだ。

「アラブ人の心をつかむ交渉術」 河出書房新社より

9つのタブー その2「犬を見せるな!」

犬はそもそも卑しいものとして扱われている。特に、唾液は不浄とされている。
遊牧民のテントに行くと、だいたい犬を飼ってはいるが、それは門番や狩りに使ったり、羊を追うためであり、決してペットとしてではない。ラクダ、羊という動物が「財産」として扱われているのに対し、犬はランクの低い動物として見られているのだ。

ある大手総合商社に勤めるIさんは、トラッドな英国スタイルのファッションが好きだ。
ある日、わかっていながらもついうっかりと小さな犬がドット柄のように散っているネクタイを締めて、アラブ人の顧客の事務所に行ってしまったそうだ。

「いやぁ、うかつでした。みるみる相手の表情が硬くなり、とても不機嫌になったのです。
その視線の先にはこのネクタイ…。最初は何が原因かすぐにはピンとこなかったのですが…。おかげで商談はまとまらず、すぐに帰ってきました」

泣きそうになっているIさんを笑えない。ついうっかり…、のミスが命取りになることもあるのだ。
とにかく、自宅で飼っているペットの犬の写真など、アラブ人には見せびらかしたりしない方が、無難である。

「アラブ人の心をつかむ交渉術」 河出書房新社より

9つのタブー その1「左手は使うな!」

食事の際に左手を使ってパンをつかんだり、左手で人にものを手渡したりしてはいけない。
なぜなら、左手は「不浄の手」とされているからである。

田舎に行くと、今でも古いアラブ式のトイレを見ることができるが、形はいわゆる和式にそっくりだ。その便器の横には必ず、水の入った大きなポットが置いてある…。伝統的には、アラブでは用足しのあと、左手を使って水でおしりを洗い流した。つまり、「元祖・手動ウォッシュレット」である…。

そんな理由から、左手は不浄の手とされてきたのだ。トイレは左手で、食べる時には右手で、というのが清潔を保つための知恵であり、伝統であった。今では多くの場所で洋式便器にトイレットペーパーというスタイルになっているが、左手を嫌うという習慣はそのまま残っているのだ。

「アラブ人の心をつかむ交渉術」 河出書房新社より

「胡」のつくもの

その昔、ペルシャ(現在のイラン)・アラブ一帯は中国人に「胡」と呼ばれていた。
だからこの地から運ばれてきた「胡麻(ごま)」、「胡瓜(きゅうり)」「胡椒(こしょう)」などに「胡」の漢字がついているのだ。

あぐら座りも「胡坐」と書かれるが、今もこの地域では正式な座り方だ。
女性も床でくつろぐときは「胡坐」をかく。

喜拾-持たざる者には与える

貧乏人には、食事やお金を与える。
イスラム国家では、いたるところで道端の貧しい人々に金銭を与える姿を目にする。
助け合いの精神であり、水のように、「あるところ」から「ないところ」に富を流すという教えだ。
この教えがあったために、ここまでイスラム教が急速に普及した、とも言われている。

与えられた人は、一般的に「有難う」とは言わない。
「あなたは私に与えたお陰で、徳をつんだ」から、である。

 

「不思議探検 サウジアラビア」大和出版 より

気温50℃

高温
水道の「水」をひねれば「熱湯」が
ドライヤーでキーを回せば、火ぶくれに
ボンネットに「卵」を落とせば、「卵焼き」
昼の気温は摂氏50度だ

乾燥
洗濯物、乾燥器いらず5分で乾く‼
食パンは、カビも生えずに「パン粉」に返信‼
「柿の種」、いつでもたっても湿気ない‼

夏のアラビア半島は、熱せられた瓦のようだ。
家のドアを開けると、「ドライヤーの熱風」が押し寄せる。
アスファルトに立てば、「オーブンで焼かれるパン」の気分になる。

保存してあった「味噌」がどんどん発酵して容器が爆発し、天井まで味噌だらけになった、という「笑えない話」も多々、ある。
内部の乾燥はすさまじく、水分はアッという間に蒸発し、汗もべとつかないほどだ。

 

「不思議探検 サウジアラビア」角川書店より