男女交際&結婚事情(その3「婚約時代・結婚」)

まだ、二人が若い場合など、婚約時代が長いことがある。
でも、二人きりで会うことは許されない。必ず女性の父親か兄弟が同伴しなくてはいけないことになっている(ある映画の中で、デートの度に小さな「弟」を「保護者」として連れてくる、というワンシーンを見たことがある)。

婚約はあくまでも「予約済み」の状態を公にして、他の男性が言い寄らないようにするためのもの。
仮に婚約を解消しても金銭的な義務は生じない。つまり、「義務」もないけど「二人で会う権利」もない、という状態なのだ。

◎いよいよ結婚

結婚すれば、こっちのもの!?
女性は水を得た魚のようだ!お手伝いさんはいるし、買い物は「男の仕事」だし。これで子供ができればバン万歳!
一気に発言権を増す。そして、都市をとるほど、「おツボネさま」として威力を振るう。

イスラム教では四人まで奥さんを持てる。とはいえ、そんなに「経済的に、時間的に、物理的に、精神的に」余裕のある人は少なく、複数の奥さんがいる人は今は5%くらいとか。
「一人でも持て余しているのに、二人以上の妻なんてトンデモナイ!」
どこからか、こんな声が聞こえてくる。

「恋するサウジ」 角川書店より

 

男女交際&結婚事情(その2「婚約の成立」)

結婚の申しこみがあった場合、許可を出すのは娘の父親。とはいえもちろん、娘には花婿候補を見て、結婚に同意するかどうか意思表明する権利がある。

そして、父親が結納金を提示し、全ての条件で合意したら、婚約する。
双方の家族全員が結婚契約書にサインをすれば婚約成立。
しかし現在、結納金の高騰が問題になっている。負担が大きすぎて男性が払えず、婚期が遅れているというのだ。

結婚は契約なので、「結納金いくら、金何キロを持参して花嫁方に払うか、家などの所有権はどちらか、離婚した場合の慰謝料はいくらか」などをあらかじめ決めておくのだ。
とても合理的で、あとあとの争いが少なくなる。

それにしても、これは千数百年も前にイスラム法(シャリーア)で決められていた法律だというから、オドロキだ。この契約結婚システム、なかなかいい。

「恋するサウジ」 角川書店より

男女交際&結婚事情(その1「結婚できない相手」)

イスラム教では、結婚前の男女交際は一切、禁じられている。
「付き合いたい」なら、「結婚しろ」が鉄則だ。
「じゃあ、結婚するためには、どんな決まり事があるの?」
こんな質問を受けることがある。
なるほど、アラブ人には美人、ハンサムが多いからね。
でも、ちょっと待った!習慣やしきたりをちゃんと知っておかないと…。

◎結婚できない相手
異教徒は、イスラム教に改宗しないと結婚できない。無神論者などもってのほか。
ただし、イスラム教の男性は「同じ経典の民」、キリスト教徒とユダヤ教徒の女性となら結婚できる。

「恋するサウジ」 角川書店より

料理奮闘記(サウジ編 その2)

第四に、何でも冷蔵庫に入れておかないとカリカリに乾燥したり、品質が落ちたりする。
お米もペットボトルに移し換えて冷蔵庫に入れておくと、かなり状態よく保存できる。
また、ものによっては発酵してしまうこともある。
こんなことがあった。船便で日本から送られたきた味噌を、「待ってました!」とばかりに蓋を開けようとしらその瞬間、「バーン」と音がして破裂した!
気が付けば、天井も服も味噌だらけ。パックの中身はカラッポ・・・。

「やっときた、貴重な味噌がぁ・・・」
泣くに泣けなかった。おそらく、長い船旅の間に発酵が進んでしまったのだろう。

第五に、水道から出てくる「水」は地熱で温められた「お湯」!「水」はあらかじめ冷蔵庫で冷やして「作るもの」なのだ。そうめんを茹でたけど、水がなくて洗えない、ということのないように準備しなくてはならない。

最後に、家族が「三食」を「毎日」家でとる、というサウジならではの事情がある。
多くの企業で昼休みが三時間ほどあり、前述したように、いったん帰宅して昼食をとり昼寝してからまた午後出勤する、という生活パターンだ。
昼のお祈りタイムにはどのレストランも閉店することが義務付けられているので、外食もままならない。
また仕事の帰りに「ちょっと一杯」はあり得ないので、夫はまっすぐ帰宅する。
夕食を毎日家でとるなんて、日本の生活では考えられないことだ。

とにかく、このような環境での料理は「大仕事」だが、逆にオモシロイ。
旬のものが自然な状態で手に入る上、野菜や果物は豊富で甘いのだ。
参考までに、我が家の「ある日の大仕事」をご披露しよう。

紅海の「タイ科熱帯魚」の焼き物、「丸ごと一匹買った鶏肉」と「湾曲したキュウリ」の和え物、乾燥ごぼうの煮物、600円もする、「古くて黒い納豆」。

夫が叫ぶ。
「納豆!今日はゴチソウだ!}

「恋するサウジ」 角川書店より

料理奮闘記(サウジ編 その1)

海外で暮らす上で、いかに現地の材料を駆使して日本料理をつくるかは、とても重要な問題だ。
今でこそ、世界各国で日本食品を入手できるようになったが、それでも高い、古い、少ない!

サウジではさらに事情が違う。第一に、イスラムの教えに従いアルコールは禁じられている。味醂(みりん)もダメなので、煮物料理は、昆布と砂糖、醤油だけで味付けすることになるが、案外、京風の味で美味しい(お好みで鰹だしでもよい)。

第二に、やはり宗教上、豚肉は一切持ち込めない。しかし牛肉はとても豊富で、ヒレ肉でもブロックで買うほど安いのだが、妙にあのブタの味が恋しくて仕方がないときがある。
そんな時に大活躍するのが、ヴィール(子牛)肉。見た目はまさしくブタの色。味も似ていて、とんかつ、しょうが焼き、餃子など、豚肉と遜色なくでき上がる。
我が家では、甘辛いタレに漬け込んだヴィール肉のブロックをタコ糸でぐるぐる縛り、二、三時間煮込んで「チャーシュー」を作っていた。
保存もでき、味も香辛料次第でいろいろ工夫できる。

第三に、気候条件を考えて調子しなくてはいけない。極端に乾燥して暑い気候のもとでは、水分はすぐに蒸発する。ご飯も味噌汁も、水を三割増しで調理してちょうどいい。

 

『恋するサウジ」 角川書店より

アラビア・ペルシャ薬膳料理クラス

オーダーメイドの
アラビア・ペルシャ薬膳料理クラス

楊貴妃がペルシャ人だったという説、ご存じですか?妖艶な踊りを踊ったという楊貴妃は「碧眼の胡人」、つまり碧い眼をした胡(現在のイラン)人と言われているのです。シルクロードの町、長安(今の西安)にはたくさんの民族が集まっていたので、それも不思議ではない話ですね。

そんな楊貴妃とともに、絶世の美女として名高いクレオパトラ。二人とも美意識が高く、食事には大変気をつかっていたといいます。

二人が愛した、アラビア・ペルシャ薬膳料理。実はとても簡単においしく、あなたの家でも再現できます。しかも、珍しくて話題性があるので、一品持ち寄りホームパーティ(ポットラックパーティ)でも主役になれること、間違いなしです。

【ペルシャ薬膳】
1.入門コース  (全5回)  20,000円(税込)
2.かんたん華やかパーティ料理コース(全5回) 25,000円(税込)
3.美・薬膳コース(全5回)  25,000円(税込)
4.ハーブ料理コース(全5回) 25,000円(税込)
5.極めるコース(全5回)※上記、3コース以上受講した方のみ 30,000円(税込)

■■■ペルシャ薬膳料理の一例■■■
サフランライス、ペルシャ風串焼きハンバーグ、ハーブサラダ、羊肉とハーブのシチュー、ブドウの若葉の包み蒸し煮、ご飯詰めトマト、ご飯詰めピーマン、米入り肉団子煮込み、肉団子のトマト煮、羊肉と野菜のトマト煮、豆入り煮込みうどん、クコの実とチキンの炊き込みご飯、キャベツと肉団子の炊き込みご飯、ディルとそら豆の炊き込みご飯、鶏もも肉のオレンジ煮、鶏肉入りケーキ型ご飯、牛肉とインゲンの炊き込みご飯、ザクロとクルミの鶏肉シチュー、オクラと牛肉のシチュー、ペルシャオムレツ、焼きなすペースト、大麦スープ

【アラビア薬膳】
1.入門コース(全5回)20,000円(税込)
2.かんたん華やかパーティ料理コース(全5回)25,000円(税込)
3.ナッツと果実の薬膳コース(全5回)25,000円(税込)
4.ハーブとスパイス料理コース(全5回)25,000円(税込)
5.極めるコース(全5回)※上記、3コース以上受講した方のみ 30,000円(税込)

■コース受講要領
日程・時間・ご希望のコース内容などご希望に沿ったかたちで対応いたします。
4名以上の参加者が集まり、だいたいのご希望が固まりましたら、ご相談下さい。

■トライアル受講要領
1回だけのトライアルでお申し込みも受け付けます。(ただし、極めるコースは除く)
その際、金額は1.入門コースの場合は一人5,000円、2~4のコースは一人6,000円となります。
4名以上でのお申し込みとなります。

■レッスン内容
4品
メイン、サラダまたはスープ、主食(ご飯料理など)、デザート1品

■時間
お食事込みで2時間半
※お時間のない方はお持ち帰りいただいてもかまいません。その際はお持ち帰り用の容器をご持参ください。

■場所
東京都港区
※ご予約成立後に、住所の詳細をお知らせいたします。

★ご興味のある方は下記までメールにてご連絡ください。
【お問合せ先】 peacefularab@gmail.com

9つのタブー その9「女性に向かって許可なくカメラを向けるな!」

偶像崇拝者を嫌うイスラーム社会ではそもそも公共の場で写真を撮るのはタブーだった。
特に女性の写真となると問題だ。女性はやたらと顔を出すものではない、顔を出すのははしたないことだという感覚がその根底にあり、まだまだ写真を撮られるのをいやがる女性は多い。

ある日本人男性が町で女性を撮影してしまった時、写真を撮られた女性の夫と口論になった上に、カメラを没収されそうになり大変な思いをしたと、ぼやいていたことがある。
実は私もそのような現場に居合わせたことが、数回ある。

友人のアラブ女性の中には、結婚式の写真などを堂々と自宅に飾っている人も少なくない。
しかしその感覚は、人にもよるが、とても微妙だ。たとえプライベートな社内の記念写真でも、男女が混ざる場合にはあわててメールを被ったりサングラスで目を隠したり、後ろを向いてしまう人さえいる。
このような感覚を理解してあげよう。

「アラブ人の心をつかむ交渉術」 河出書房新社より

9つのタブー その7「女性に握手を求めるな!」

初対面だと、反射的に握手しようとする人もいるが、イスラームでは男性が女性にやたらと気安く話しかけたり触ったりするのは良くないことだ。
ただし外国人慣れしているアラブ人女性が、彼女の方から握手を求めてきた場合には、臆することなく応じよう。

逆にあなたが女性なら、フレンドリーさをアピールして自ら握手を求めてみよう。喜んで応じてくれるし、その後の商談がやりやすくなることは間違いない。

「アラブ人の心をつかむ交渉術」 河出書房新社より