アラビアのことわざ:イラク編

<イラク>

イハーブ先生におしえていただいた、ことわざです。

“العمة إذا حبت الكنة إبليس يدخل الجنة”

العمة إذا حبت الكنة  は「もし義理の母が嫁を好きだったら」という条件節、إبليس يدخل الجنةは「悪魔が天国に入る」という意味の応答節、つまり「母親が(息子の)嫁を好きだなんて、あり得ない」という意味になります。嫁姑問題は、共通のようです。

“تيتي تيتي مثل مار حتي جيتي ”

تيتي تيتي は語呂合わせのために入っているもので、特に意味はありません。「行った時と同じように帰ってくる」、つまりは「何も変わらなかった、進歩しなかった」という意味になります。

“امشي شهر ولا تعبر نهر ”

امشيは「歩く」の命令形、直訳すると「一カ月歩け、川を渡るな」。「(危険な)川を渡ったりせず、(時間がかかっても)1カ月間歩きなさい」という意味になり、日本のことわざの「急がば回れ」とまったく同じです。

“المبلل ما يخاف من المطر”

ما يخافは「恐くない」、全体では「濡れている者は、雨が恐くない」という意味になります。

日本には似たようなもので「蛙の面(ツラ)に水」があります。どんなことをされても(水をかけられても)平気な顔でいなさいという助言でもあり、戒めでもあります。

“أعور ببلاد  العميين  ملك”

أعور は一つ目の人のことです。全体では、「一つ目の人は、目の見えない人たちの国では、王様だ」という意味で、「その国の中では一番良い」、つまりは「どんな人にも居場所がある」という意味になります。