アラビアのことわざ:シリア編

<シリアのことわざ>

アラブイスラーム学院のイハーブ・エべイド先生におしえていただきました。

“دق الحديد و هو حامي”

دق は「砕く」の命令形、الحديدは「鉄」、حاميは「熱い」直訳は「鉄は熱いうちに砕け」です。日本のことわざ「鉄は熱いうちに打て」とまったく同じ。不思議ですね!

“ابنك لا تعلمه الدهر بيعلمه”

بنك لا تعلمهは「あなたの息子には教えるな」という命令形、الدهر بيعلمهは「時が彼に教えてくれる」。つまり、日本のことわざ「かわいい子には旅をさせろ」と同じになります。教育方針は万国共通ということでしょうか。

“أبوها راضي، وأنا راضي، وأنت مالك يا قاضي ”

أبوها راضي は「彼女の父親は同意している」、وأنا راضيは「そして私も同意している」、وأنت مالكは「そしてあなたに何の関係があるのか」、يا قاضيは「やぁ、裁判官よ」という呼びかけ詞です。第三者が口を出すな、他人のことに首をつっこむな、という意味になります。راضي、راضي、قاضي、と韻を踏んでいるところに、アラビア語独特の音のリズムがあります。

“أذن من طين وأذن من عجين”

أذن من طين は「耳に泥」وأذن من عجينは「耳にパンのドゥ(焼く前のパンの素材)」という直訳です。耳には泥やパンのドゥが詰まっている、つまり「聞く耳をもたない」という日本の言い回しと同じです。

“إذا فاتك عام استبشر بغيره”

إذا فاتك عام  は「もし今年があなたを過ぎたら」という条件節、استبشر بغيرهは「別の(次の)年を期待しろ」という応答節、つまりは「くよくよせず吉報を待て」、「明日は明日の風が吹く」という意味です。人生にはいいことも必ず来ますものね。