ヒジュラ暦(イスラム暦)

イスラーム世界で伝統的に使用されてきた時は、ヒジュラ暦(イスラーム暦)と呼ばれる、一年が345日の太陰暦(月の運行を中心とした暦)だ。
しかし現在、ビジネス世界では我々が通常使っている西暦(太陽の運行を中心とした太陽暦)が主に使用されているので、何ら心配することはない。
ただし、宗教行事などはヒジュラ暦で割り出されるため、西暦とヒジュラ暦が併用されているカレンダーを入手しておくことは、不可欠だろう。

万が一、ヒジュラ暦でアポイントメントを取ってしまった場合、確実に会えないどころか、信用までなくしてしまう悲劇が訪れる…。

ヒジュラ暦の紀元元年は西暦で言えば622年だ。まだイスラームが人々に認められていなかったこの年、預言者ムハンマドが自分の教えを嫌う迫害者たちから逃れるため、弟子たちを連れてマッカからマディーナに移り住んだ。この聖遷(ヒジュラ)の日がヒジュラ暦元年に当たるのだ。

この暦では、一日の始まりは日没であり、一カ月の始まりは新月だ。
一カ月は約29.5日で三年に一度うるう年がある。

 

「アラブ人の心をつかむ交渉術19の掟」 河出書房新社より